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こんにちは。札幌は夏のピークも折り返し、秋の雰囲気が漂ってきました。いい季節です、札幌。
さて、おそらくこのブログに辿りついた方の大半は、UNTAPPED HOSTELに興味を持って知ってくれている方、泊まってくれた事のある方、もしくは僕個人やスタッフと友人だったりする方達だと思っています。
今日はそんな方達に向けた文章を綴ってみようと思っています。
もちろん初めましての方も、「UNTAPPED HOSTELはこんな宿」という入り口にもなると思いますので、よろしくお願いします。どんな方でもwelcomeが信条のアンタップト。
長文になりますが、ぜひお付き合いください。
皆さんもご存知のように、観光業・宿泊業は新型コロナウイルスの影響で壊滅的な打撃を受けています。
私たちUNTAPPED HOSTELも例に漏れず、今尚存続に向けて、手探り状態が続いています。
タイトルには再始動とありますが、実はコロナウイルスの影響が出始めてからの2月以降もずっと、縮小・条件付きで営業自体は小さく継続していました。
今回、この数ヶ月を経て、9月1日からもう少し本腰を入れて再始動をしようと決めました。(ただし、以前のような形とは異なります)
それに伴い、宿として現状に対してどういう態度で向き合っているのかというステートメントを出すことが、ご利用いただくゲストの皆さんにも多少なりとも安心につながるだろうと思いまして、この文章を綴っています。
具体的なコロナ対策とともに、この宿を始めたきっかけや、オーナーである私の想いを折り重ねてお伝えできればと思います。
筆力が伴うかはさておき、、ですが。
まずは、9月の再始動に当たっての当宿のコロナ対策、それに伴う変更点は以下の通りとしました。
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●レセプションに飛沫防止シートの設置(ごはんやはるやには設置しません)
●受付時に手指消毒のお願い
●各階・各部屋に手指消毒用アルコール設置
●共用タオルの廃止・フェイスタオル・バスタオルの無料レンタル
●スタッフの体調管理(体温の確認と手指消毒の徹底。また37.5度以上の発熱や、体調が優れない従業員は、自宅待機としております。)
●受付時のスタッフのマスク装着
●館内の換気徹底。天候次第ですが、基本的に日中はほぼ全ての窓を開けて営業しています。
●ドミトリールームのキャパシティを10▶︎4に。3〜4名利用の個室としてのご利用も大歓迎です。スペース的にはかなり余裕があります。
●朝食提供は一旦休止します。再開時にはアナウンスします。
●公共交通機関<レンタサイクル/カーシェアご利用の推奨
●レセプションのオープン時間は8:30〜22:00に短縮致します。
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ゲストの皆さんには館内でのマスク装着はお願いしません。
宿は旅先の「家」。家ではリラックスして過ごしたいですよね。
(もちろん、心配な方はマスクを装着してください)
また、検温も求めません。無症状の人も多数いるという事実の中で、
検温によるフィルタリングはあまり意味のあることだとは思えないからです。
ただし、すでに体調が悪いことを自覚している方は、
うちに泊まる/泊まらない以前に旅行自体をお控えください。
また、当宿のGO TOへの参加は見送りました。
様々な意見はあるものの、シンプルにあまりゲストハウス向けの施策ではないという理由です。
もしGO TOのキャンペーンをご利用しての宿泊を検討されていた方がいらっしゃったらごめんなさい。
様々な方面からコロナウイルスの情報や、
全国のホテルやゲストハウスの対策を穴の空くほどチェックをした結果、
以上のような項目に落ち着きました。実際に採用する対策自体は、
どの宿泊施設もやっていることで特別なことではありません。
むしろゲストハウスの特性を考え、チェック項目は極力少なめにしました。
その上で皆さんにお伝えしたい、ご理解頂きたいことは、
「感染リスクゼロの空間を提供することは難しい」ということです。
ホステルは共用部分、そして共有(時間や場所)という行為自体がその価値の核にある宿泊施設です。
ゲスト同士の交流、ゲストとスタッフの交流、宿で紹介した店々での交流…。
これまでは濃密なコミュニケーションを経て、奇跡のような素晴らしい出会いや時間がありましたが、
今はそういった価値そのものが忌避されるべきものとなっています。
共有/交流を軸に空間作りをしている施設のため、
キッチンの蛇口や、お手洗いなど、どうしても皆さんが手を触れる箇所が存在します。
(ただし掃除は徹底しますし、館内の様々な場所に手指消毒用アルコールは設置しております)
気になる方、より徹底した対策を求める方はホテルにお泊まりになることをお勧めします。
僕らはこの空間で、有効と思われる限りの対策を行い、運営を続けていきます。
そしてこの環境下でUNTAPPED HOSTELを宿泊先として選んでくれる人がいるという有り難さを励みに、
少しづつでも前に進んでいこうと思います。
これまでの時空が歪んだような不思議な数ヶ月は、
その決意を固める期間だったと言ってもよいかもしれません。
一方で、この時代の趨勢の中で、
もしかしたらドミトリールーム(相部屋)を中心としたゲストハウスという文化自体が
終焉を迎えつつあるのかもしれないという考えが頭をよぎった時もありました。
これだけ空き家が生まれて、都市部が過密化して、宿の選択肢もこれまでにないくらい沢山あって、
という事を考えるとそれはおそらく「ひとつの」自然の摂理であり、
現実として冷徹に受け止めなくてはならないでしょう。
ただし、「ひとつの」にカギカッコを付けたのは、この宿をチョイスしてくれる人たちがいること、関わり続けてくれる人たちがいることこそが私たちとっての目の前の現実であり、撤退するには惜しい、UNTAPPEDという場所ならではの可能性がまだあると信じているからに他なりません。
このカルチャーは一時的に細くはなるかもしれないけど、死なないと思っています。
むしろ形を変えて面白くなってくるのはこれからだろうと。
もちろん、細くなる状況に指を咥えて見ているつもりも更々なく、
他事業開始も含め(実際にすでに行なっています)、
事業者としては会社を継続・成長させること以外に選択肢はありませんし、全く諦めていません。
小商いだからこそ、現状にとどまるわけにはいかないという考えです。
2014年当初、半分趣味のような”ノリ”で、
自分たちが旅気分で好きなように生きていきたいが為に作ったこの宿も、
6年近い時を経て、拡がりをもって旅行者や地域の方々に、
単に「泊まるところ」以上の価値を提供できる土台がようやくできてきました。
そしてそれに伴い、見えてくる世界も少しづつ広がってきました。
荒波をくぐり抜けた次の世界をこの場所から見届けたい気持ちがあります。
そして、小さいながらもその世界の一翼の羽のひとひらくらいは担いたいという想いも。
是非この文章を読んでくれたみなさん、UNTAPPED HOSTELをご利用ください。
変わらずにどの場所からでも、どんな方でもwelcomeです。
この土地に深く根付いた当宿ならではの札幌/北海道のとっておきの楽しみ方をお約束します。
確信を持って言えるのは、
北海道は、そしてこの宿は、少し時間はかかるけれど、きっとこれから楽しい時代がきます。
互いへの思いやりを忘れず、、札幌でお会いしましょう!
株式会社PLOW / UNTAPPED HOSTEL
神 輝哉